・心をそなえて いざ迎えよ~クリスマスによせて
・陸上記録会表彰者
・クリスマス
・1月の行事予定 など
なお、児童の個人名はふせてあります。
ご了承ください。
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心をそなえて いざ迎えよ ~ クリスマスによせて
賛美歌の楽譜上部、左側には
歌詞の初行と作詞者が書かれています。
クリスマスの著名な賛美歌
261番「もろびとこぞりて」(54年版では112番)
Hark the glad sound! the Savior comes
とあります。よく耳にするこの賛美歌の英語版は、
Joy to the world! the Lord is come
だったはずです。
素人の慣れぬ私訳などしてみても、
聴け(hark) 喜びの歌を 救い主来たれり
喜べ(joy) 世の民よ 主来たれり
‘Joy to the world!’が「もろびとこぞりて」に
すっきりとはつながりません。極端な意訳なのでしょうか。
原詞がどうなっているのか気になり、調べてみました。
すると、日本の賛美歌の歌詞「もろびとこぞりて」は
‘Joy to the world!’を訳したものではない、
ということがわかりました。
「賛美歌は巨大な替え歌の大系である」
「旋律には『旋律名』(tune name)と呼ばれる名前がつけられている」
など、賛美歌にかかわるいくつかの予備知識があると
このあたりの事情が理解しやすいのですが、
すべて割愛し結論だけ述べると、
‘Hark the glad sound!’は
18世紀イギリスの牧師フィリップ・ドッドリッジの作、
‘Joy to the world!’は
彼の先輩牧師であり詩人でもあるアイザック・ウォッツの作、
もともと別々の二つの賛美歌(詞)があって、
日本の賛美歌「もろびとこぞりて」の詞は
ドッドリッジの‘Hark’を訳したものであり、
英米ではあの旋律を‘Joy’の詞と組み合わせて歌うのが一般的である、
ということでした。
(‘Hark’の詞は英米では別の旋律にのせて歌われています)
さて、楽譜上部右側、旋律にかかわるクレジットを読むと、
こちらは「ヘンデル」という名が読み取れます。
19世紀アメリカの賛美歌作曲者ローウェル・メーソンが、
18世紀の大作曲家ヘンデルの「メサイア」にヒントを得た
複数の旋律を編曲して現在の旋律をつくり、
‘Joy’の詞と組み合わせたものが広がり、
クリスマスの賛美歌として定着した、ということだそうです。
つまり、日本では1903年版の賛美歌集以来、
‘Hark’を訳した「もろびとこぞりて」の詞と
ヘンデル+メーソンの旋律がセットで歌われているのにたいし、
世界標準ではヘンデル+メーソンの旋律は
‘Joy’と組み合わされて歌われている、ということになります。
日本と諸外国では同じ旋律を別の歌詞で歌っている、
というわけです。
ところで、さらに調べていくと、日本にも‘Joy’を訳した詞を
ヘンデル+メーソンの旋律と組み合わせて歌う賛美歌がありました。
原詞と訳詞はつぎのとおりです。
Joy to the world, the Lord is come!
Let earth receive her King;
Let every heart prepare Him room,
And heaven and nature sing,
And heaven and nature sing,
And heaven, and heaven, and nature sing.
たみみなよろこべ
主はきませり
こころをそなえて
いざむかえよ
いざむかえよ
いざむかえよ
いざむかえよ 聖歌122番(総合版では70番)
原詞3行目に‘prepare Him room’とあります。
「彼=キリストの住まわれる部屋を心に用意せよ」と
訳せるこの詞から、ベツレヘムの
「客間には彼らのいる余地がなかった」(ルカ2:7)
というクリスマスの一場面が思いおこされます。
みすぼらしい身なりの若い夫婦を
ユダヤの人たちは受け入れることができませんでした。
救い主を拒否するわたしたちの姿に重なります。
ウォッツは、世界中の人々のみならず、野山や海などの自然も、
御子の降誕を祝し喜び躍っていると感じ、詩編98編をもとに
「喜べ、世界よ」という詞を書きました。
神さまからこの世にくだされたキリストの宿泊を断らないよう
部屋を用意し、それぞれが“心をそなえ”、
喜びをもってクリスマスを迎えたいと思います。



