『水底に沈む涙』(池田美代子/青い鳥文庫)
ここでは、わたしひとりでどうにかしなければならないってことなの?
青い鳥文庫に移籍したルナが
「新妖界ナビ・ルナ」となってからの2作目。
大人の事情は詳らかになってはいないが、
書き続けていかれるようでまずはひと安心。
借り手の多い人気シリーズなので。
はさみこんであるリーフに青い鳥文庫30周年と
岩波少年文庫60周年のコラボキャンペーンのお知らせがある。
コンテンツの相互乗り入れなどしたらおもしろそう。
肝心のストーリー。
青龍をさがし水害にあった村にやってきたルナたち、
過酷なレースに巻きこまれた末に残ったものは...。
課題をクリアしてアイテムを手に入れ、つぎのステージへ進んでいく。
ゲームの攻略と同じしくみで、初歩の読み手にはとっつきやすい。
『春風のネックレス』『木もれ日の髪かざり』『渚のイヤリング』
『月明かりのストラップ』(後藤みわこ/岩崎書店フォア文庫)
「カプリの恋占い」と題されたシリーズの既刊本をまとめて読んだ。
一読した印象...中学年の女の子にぴったり。
てのひらサイズの少女、ビーズアクセサリ、
恋占いにクスリの駄じゃれ、
それに少女マンガふうのイラストが満載...
これだけそろえば食いついてくること間違いなし。
あとはどうやって露出し手渡すか、文庫主宰の腕の見せどころ。
応援したくなる個人的な理由が5つばかり。
著者がぼくと同じツイッタラーであること、
著者がぼくと同い年であること、
レギュラー登場人物の姓がぼくと同じであること、
学年1クラスという設定がぼくの学校と同じであること、
もうひとつは...ないしょ。
予定されている5巻で完結の予定とのこと。
「まだつぎは出ないの~?」という声がすぐに聞こえてきそう。
『スコアブック 3』(伊集院静/講談社)
最強のチームをつくろうと奮闘する野球好きな4年生“ミサキ”の物語。
3巻目に入り、ようやくメンバーが9人そろうところまで話が進んできた。
1から(0から?)メンバーをあつめてまわること、
スカウトしたメンバーがひとくせもふたくせもあること、
強力なライバルが立ちはだかること、
謎のおとながとりまいていることなど、
アパッチ野球軍やドカベン以来の定番野球もの。
ストーリーそのものに大きな破綻はなく楽しめるが、ただ、
チームのGMが4年生の女の子という設定に無理を感じてしまう。
「喜びは分かち合うものなの」
「うん、目に見えるものだけを追いかけてると
答えが見つからなくなるって」
ここまで悟った4年生、いるかなぁ。
「そう、海。湘南の海。ずっと私たちを見守ってくれていた、
あの海。やさしくて大きな湘南の海……。
“湘南オーシャンズ”」
湘南のご当地本でもある。
明らかな誤りが2か所。校正が甘い。
『シロクまつりへようこそ!』(後藤みわこ/学習研究社)
身の回りにおきる事件を3年生の男の子リキが推理力を発揮して解決する。
でも、リキは気が弱く名探偵の自覚もなし。はにかみながら、
「ぼく、探偵じゃありません...」
というシリーズの3冊目。
4話収録されているうち第2話「リキにアタック!」がとくにお気に入り。
「あの……応募してくれて、ありがとう。」
ミミのふくらんだほっぺたが、きゅうっとしぼみました。
小学校のころに読みたかった胸キュン(死語か)なおはなし。
タイトルに注意。
本文を半分読みすすむまで「シロクマまつり」だと思い込んでいた。
『1ねん1くみ1ばんサイコー!』(後藤竜二/ポプラ社)
昨年9月に出版された本、ようやく入手。
1984年にスタートしたくろさわくんシリーズ、
25年かけてたどりついた25冊目は、どうやら最終巻らしい。
ページを開いたとたん、
「くろさわくんが、てんこうしました。」
というしらかわ先生の衝撃的なことばがとびこんでくる。
北海道へ行ってしまったくろさわくんに手紙を書くことになり、
クラスメイトの思いが綴られていく。
その手紙を読んだくろさわくんからの返事。
1ねん1くみは サイコーでした!
1ねん1くみで、おれ うまれかわりました。
みんなのこと、ぜったい わすれません!
けれど、親友のしんくんだけは思いがあふれ、
どうしても手紙を書くことができない。
「ゆっくりで いいからね。」
というしらかわ先生に励まされ書き出すその物語は...。
最終ページを読み、そうきたか、やられた!




