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2010年02月08日

ひとくち書評24

『水底に沈む涙』(池田美代子/青い鳥文庫)

   ここでは、わたしひとりでどうにかしなければならないってことなの?

青い鳥文庫に移籍したルナが
「新妖界ナビ・ルナ」となってからの2作目。

大人の事情は詳らかになってはいないが、
書き続けていかれるようでまずはひと安心。
借り手の多い人気シリーズなので。

はさみこんであるリーフに青い鳥文庫30周年と
岩波少年文庫60周年のコラボキャンペーンのお知らせがある。
コンテンツの相互乗り入れなどしたらおもしろそう。

肝心のストーリー。
青龍をさがし水害にあった村にやってきたルナたち、
過酷なレースに巻きこまれた末に残ったものは...。

課題をクリアしてアイテムを手に入れ、つぎのステージへ進んでいく。
ゲームの攻略と同じしくみで、初歩の読み手にはとっつきやすい。


『春風のネックレス』『木もれ日の髪かざり』『渚のイヤリング』
『月明かりのストラップ』(後藤みわこ/岩崎書店フォア文庫)

「カプリの恋占い」と題されたシリーズの既刊本をまとめて読んだ。
一読した印象...中学年の女の子にぴったり。

てのひらサイズの少女、ビーズアクセサリ、
恋占いにクスリの駄じゃれ、
それに少女マンガふうのイラストが満載...
これだけそろえば食いついてくること間違いなし。
あとはどうやって露出し手渡すか、文庫主宰の腕の見せどころ。

応援したくなる個人的な理由が5つばかり。
著者がぼくと同じツイッタラーであること、
著者がぼくと同い年であること、
レギュラー登場人物の姓がぼくと同じであること、
学年1クラスという設定がぼくの学校と同じであること、
もうひとつは...ないしょ。

予定されている5巻で完結の予定とのこと。
「まだつぎは出ないの~?」という声がすぐに聞こえてきそう。


『スコアブック 3』(伊集院静/講談社)

最強のチームをつくろうと奮闘する野球好きな4年生“ミサキ”の物語。
3巻目に入り、ようやくメンバーが9人そろうところまで話が進んできた。

1から(0から?)メンバーをあつめてまわること、
スカウトしたメンバーがひとくせもふたくせもあること、
強力なライバルが立ちはだかること、
謎のおとながとりまいていることなど、
アパッチ野球軍やドカベン以来の定番野球もの。

ストーリーそのものに大きな破綻はなく楽しめるが、ただ、
チームのGMが4年生の女の子という設定に無理を感じてしまう。

   「喜びは分かち合うものなの」
   「うん、目に見えるものだけを追いかけてると
    答えが見つからなくなるって」

ここまで悟った4年生、いるかなぁ。

   「そう、海。湘南の海。ずっと私たちを見守ってくれていた、
    あの海。やさしくて大きな湘南の海……。
    “湘南オーシャンズ”」

湘南のご当地本でもある。

明らかな誤りが2か所。校正が甘い。


『シロクまつりへようこそ!』(後藤みわこ/学習研究社)

身の回りにおきる事件を3年生の男の子リキが推理力を発揮して解決する。
でも、リキは気が弱く名探偵の自覚もなし。はにかみながら、
「ぼく、探偵じゃありません...」
というシリーズの3冊目。

4話収録されているうち第2話「リキにアタック!」がとくにお気に入り。

   「あの……応募してくれて、ありがとう。」
   ミミのふくらんだほっぺたが、きゅうっとしぼみました。

小学校のころに読みたかった胸キュン(死語か)なおはなし。

タイトルに注意。
本文を半分読みすすむまで「シロクマまつり」だと思い込んでいた。


『1ねん1くみ1ばんサイコー!』(後藤竜二/ポプラ社)

昨年9月に出版された本、ようやく入手。

1984年にスタートしたくろさわくんシリーズ、
25年かけてたどりついた25冊目は、どうやら最終巻らしい。

ページを開いたとたん、

  「くろさわくんが、てんこうしました。」

というしらかわ先生の衝撃的なことばがとびこんでくる。

北海道へ行ってしまったくろさわくんに手紙を書くことになり、
クラスメイトの思いが綴られていく。
その手紙を読んだくろさわくんからの返事。

   1ねん1くみは サイコーでした!
   1ねん1くみで、おれ うまれかわりました。
   みんなのこと、ぜったい わすれません!

けれど、親友のしんくんだけは思いがあふれ、
どうしても手紙を書くことができない。

  「ゆっくりで いいからね。」

というしらかわ先生に励まされ書き出すその物語は...。

最終ページを読み、そうきたか、やられた!


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