喜々として劇の練習に取り組む子どもたち、
「こうしよう、ああしよう」といろいろなアイデアを
交換しあってます。
舞台係、音響係を募ると、たくさんの子が名乗りを挙げ、
台詞の多い子は断ったほど。
自主的に集まって、楽しく相談しています。
そんな子どもたちを見ていて、『ガラスのうさぎ』の
重要な舞台であるJR二宮駅を訪れたくなりました。
皆で二宮の地に足をつけ、ガラスのうさぎ像の敏子さんに
出会いたいのです。
☆:::☆:::☆:::☆:::☆:::☆
「想像してごらん。これから疎開するために電車に乗るんだよ。
お父さんやお母さんと離れて、知らない土地に向かうんだよ...」
冷たい雨が降る中、『ガラスのうさぎ』の舞台となる
二宮駅へ向かいました。
電車を降り、ホームに立つと、
「ここで機銃掃射があったんだ...」
と、ポツリとつぶやく声が聞こえてきました。
あちこち眺めながら改札を出て、駅を出ると...
「あっ、敏子さんだ!」
と、敏子さんの像に皆、かけ寄っていきました。
ガラスのうさぎを抱いて天を見上げる少女。
もんぺに防空頭巾といういでたちです。
しばらくの間、子どもたち、じっと眺めたり、
碑文を読んだりしたのでした。
そこから数分歩いたところに、袖ヶ浦海岸を見渡せる
小さな公園があります。そこからの眺めは、広がる海と松の木で、
子どもたちが劇の背景で作った二宮の風景そのものでした。
「お父さん、お母さん、妹たちを亡くし、ひとりぼっちになった
敏子さんが死を考えた海だよ...。1分間、この海をじっと
眺めて、それぞれ心静かに思いをめぐらしてごらん」
─ 静寂 ─
「敏子さんの気持ちに少し近づけた気がする」
「なんだか切ない」
「想像するのがこわい」
「最後にもう一度、敏子さんと話して帰ろうか」
駅に戻り、改めて敏子さんの像と出会いました。
敏子さんにそっと触れる子、
敏子さんの目をじっと見つめ、しばらく動かない子、
お祈りをする子...
「あっ、涙だ!」
ちょうどその時、敏子さんの目から雨粒がほほを伝ったのでした。
2008年度4年学級だより「とびら」より
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